
大阪の公立中学校を卒業した人は、どんな高校へ進んでいるのか。公立と私立の割合や、通信制に進む人の数も気になるところです。
大阪府は「大阪府公私立高等学校連絡協議会」の資料で、府内の公立中学校を卒業した人の進路と、公立・私立高校の入学者数を公表しています。令和6年と令和7年に開かれた協議会の資料を突き合わせ、令和5〜7年3月卒業の3年分を同じ形の表にまとめました。
先に結論を書くと、令和7年3月に卒業して府内の公立・私立高校(昼間)に入った人のうち、私立は40.6%で、前の2年(38.2%・37.4%)より高くなりました。また、卒業者のおよそ14人に1人(7.0%)が通信制の高校へ進んでいます。
この記事の数字の範囲
表を読む前に、数字がどの人を数えたものかを確認しておきます。表によって数える範囲が少しずつ違うので、ここだけ先に押さえてください。
- 数えているのは大阪府内の公立中学校の卒業者です。私立中学校・国立中学校の卒業者は入っていません
- 「進路の内訳」の表は、府外の高校へ進んだ人もふくみます
- 「公立・私立の割合」の表は、府内の公立・私立高校の昼間の課程に入った人だけで計算されています(定時制・通信制、府外の高校は入りません)
- 令和5年3月卒業の進路の内訳は、令和6年の資料にある「前年度比増減」から筆者が計算した値です
公立中学卒業生の進路の内訳【3年分】
府内の公立中学校を卒業した人が、どの課程の学校へ進んだかの人数です。割合は卒業者数で割った値で、資料の進学率(令和6年:全日制等89.9%・通信制7.0%、令和7年:全日制等90.0%・通信制7.0%)と一致します。
| 進路 | 令和5年3月 | 令和6年3月 | 令和7年3月 |
|---|---|---|---|
| 全日制など(高専・昼間の単位制をふくむ) | 60,870人 (90.6%) |
60,113人 (89.9%) |
59,114人 (90.0%) |
| 通信制 | 4,393人 (6.5%) |
4,678人 (7.0%) |
4,571人 (7.0%) |
| 定時制(夜間の単位制をふくむ) | 318人 (0.5%) |
364人 (0.5%) |
282人 (0.4%) |
| 支援学校高等部 | 468人 (0.7%) |
509人 (0.8%) |
461人 (0.7%) |
| 専修学校など | 434人 (0.6%) |
515人 (0.8%) |
522人 (0.8%) |
| その他 | 688人 (1.0%) |
699人 (1.0%) |
727人 (1.1%) |
| 卒業者数 | 67,171人 | 66,878人 | 65,677人 |
3年とも、9割が全日制などの昼間の高校へ進んでいます。2番目に多いのは通信制で、令和6・7年は7.0%でした。人数にすると4,500人前後で、定時制(300人前後)の10倍を超えます。
全日制などの人数には、府外の高校へ進んだ人もふくまれます。資料によると、他府県の昼間の高校などへ進んだ人は、令和6年が3,346人、令和7年が3,095人でした。
府内の高校に入った人の公立・私立の割合
府内の公立・私立高校(昼間の課程)に入った人のうち、府内の公立中学校の卒業者だけを数えた人数と割合です。割合は資料に書かれている値で、人数から計算し直しても同じになります。
| 入学した年 | 公立高校 | 私立高校 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 令和5年春 | 35,543人(61.8%) | 21,972人(38.2%) | 57,515人 |
| 令和6年春 | 35,520人(62.6%) | 21,247人(37.4%) | 56,767人 |
| 令和7年春 | 33,276人(59.4%) | 22,743人(40.6%) | 56,019人 |
令和7年春は、公立が前の年より2,244人減り、私立は1,496人増えました。公立の割合は3.2ポイント下がり、私立が4割を超えています。令和5年から令和6年にかけては、公立が23人減、私立が725人減で、私立の割合はわずかに下がっていました。3年の中で、私立の人数が増えたのは令和7年だけです。
増減の理由は、府の資料に記載がありません。表で確かめられるのは、令和7年春に私立へ進んだ公立中学卒業生が、人数でも割合でも前の2年を上回ったという事実です。
募集人員と入学者の数
同じ資料に、公立・私立高校それぞれの募集人員と入学者数(公立中学卒業者以外もふくむ全体)が載っています。
| 入学した年 | 公立 募集人員 | 公立 入学者 | 私立 募集人員 | 私立 入学者 |
|---|---|---|---|---|
| 令和5年春 | 37,657人 | 36,069人 | 26,051人 | 24,967人 |
| 令和6年春 | 38,060人 | 36,031人 | 26,147人 | 24,038人 |
| 令和7年春 | 36,530人 | 33,782人 | 25,927人 | 25,546人 |
公立高校の入学者は、3年とも募集人員を下回っています。募集人員との差は、令和5年春が1,588人、令和6年春が2,029人、令和7年春が2,748人で、2年続けて広がりました。ただし、これは府全体の合計で、学校ごとの状況はこの資料からは分かりません。
※募集人員と府内進学予定者数は、併設中学校からの内部進学者を除いた人数です(資料の注記)。令和6・7年度の公立の募集人員には、府立水都国際・府立富田林の2校で計5人の増員がふくまれています。
募集人員は、公立中学校の卒業予定者から「府内の高校へ進む見込みの人数」を計算し、公立と私立の募集人員の合計がそれを上回るように毎年確かめて決められています。令和7年度は、府内進学予定者58,350人に対して、公私合わせた募集人員が62,457人でした。
令和8年度の募集人員
令和8年度(2026年春入学)の募集人員も、令和7年11月の協議会で確認されています。
| 募集の年度 | 公立 | 私立 | 合計 | 府内進学予定者数 |
|---|---|---|---|---|
| 令和6年度 | 38,060人 | 26,147人 | 64,207人 | 59,410人 |
| 令和7年度 | 36,530人 | 25,927人 | 62,457人 | 58,350人 |
| 令和8年度 | 35,030人 | 26,032人 | 61,062人 | 58,250人 |
協議会資料に書かれた募集人員で比べると、令和8年度の公立は前の年度より1,500人少なく、私立は105人多くなっています。公立は令和6年度から令和8年度の2年で3,030人減りました。なお、令和8年度の公立の募集人員には「内部進学予定者数により最大で5人の増員を行うことがある」と注記があります。
この記事の数字は、令和6年10月28日(第57回)と令和7年11月4日(第58回)に開かれた協議会の資料に基づいています。令和8年3月卒業の人の進路と公私の割合は、この2回の資料には載っていません。
中学卒業者の数はこれからどうなるか
府は同じ資料で、公立中学校の卒業者数の今後の見込みも出しています。令和8年以降は、令和7年5月時点の小・中学校の在籍者数から計算した推計です。
| 卒業の年 | 公立中学校の卒業者数 | 前年からの増減 |
|---|---|---|
| 昭和62年(ピーク) | 147,907人 | - |
| 令和5年 | 67,171人 | +53人 |
| 令和6年 | 66,878人 | ▲293人 |
| 令和7年 | 65,677人 | ▲1,201人 |
| 令和8年(推計) | 65,550人 | ▲127人 |
| 令和9年(推計) | 64,690人 | ▲860人 |
| 令和10年(推計) | 63,320人 | ▲1,370人 |
| 令和12年(推計) | 62,170人 | - |
| 令和14年(推計) | 60,240人 | - |
| 令和16年(推計) | 56,870人 | - |
令和12・14・16年は、表を短くするため一部の年だけを抜き出しています(前年からの増減は省略)。令和16年の推計56,870人は、令和7年の実績より8,807人少なく、ピークだった昭和62年の38.4%です。2026年度に小学4年生の子が中学を卒業する令和14年3月は、60,240人の見込みです。
まとめ
大阪府内の公立中学校を卒業した人は、3年とも約9割が全日制などの昼間の高校へ進み、約7%が通信制へ進んでいます。府内の昼間の高校に入った人のうち私立へ進んだ割合は、令和5年38.2%、令和6年37.4%、令和7年40.6%で、令和7年に4割を超えました。一方で公立高校の募集人員は令和8年度に35,030人まで減っています。志望校を考えるときは、学校ごとの倍率に加えて、府全体の人数の動きも一度見ておくと、周りの進路の様子がつかみやすくなります。
【出典】大阪府「第57回大阪府公私立高等学校連絡協議会の結果について」(令和6年10月28日開催・資料1〜5)、「第58回大阪府公私立高等学校連絡協議会の結果について」(令和7年11月4日開催・資料1〜5)。令和5年3月卒業の進路の内訳は、第57回資料2の前年度比増減から筆者が計算。数字は2026年10月13日に確認。